レディースオールスター守屋美穂 不良航法で10点減点【ボートレースの裁量について考える】

 

2021年03月05日 公開

 

先日芦屋で行われたレディースオールスター。その4日目の予選最終日となる11Rで、守屋美穂が不良航法で得点より-10点の減点となった。

これを見て、ふと昨年の下関SGを思い出したのはおそらく私だけではないだろう。

今回は、「ボートレースにおける裁量」について改めて考えたい。

※文中の内容は一貫して選手に対する批判的な意見ではないので予めご理解ください

 

G2レディースオールスター4日目11Rを振り返る

レディースオールスターの4日目・予選最終日11Rで守屋美穂は不良航法で得点より-10点の減点となった。守屋は3コースから好スタート。2コースの高田ひかるは約1艇身へこんでいた。そして伸び返してきていた高田を守屋が締め込むために舟を内に寄せた際、更に内の塩崎桐加ともつれ、結果として高田はバランスを崩し落水となってしまった。

 

昨年のSGボートレースメモリアルを振り返る

ケース① 3日目・6R

2020年8月27日、ボートレース下関ではSGボートレースメモリアルの予選3日目が行われていた。6Rに出場した松井繁は6枠から前付けの4コーススローの進入を選択。3コースの地元·山口支部の原田篤志選手とはスリット後から1マーク手前まで4分の3艇身ほど舟が覗いており、松井選手は一気のまくりを選択。これによって原田は抵抗。更に内の西山まで進路が塞がれ大敗となった。これによって松井は不良航法で-10点の減点となっている。

ケース② 4日目・3R

ケース1の翌日2020年8月28日の予選最終日。3Rに登場の松井繁は4枠での登場。今回は4カドからトップスタートを切ると、3コースの魚谷智之とは5分の3艇身ほど先行し再びまくりに出る。今回も3コースの魚谷は抵抗し、2コースの今垣光太郎は窮屈な小回りをすることに。この結果、松井はまくり切り快勝となり、減点がありながら予選突破へ望みをつないでいる。(その後予選も突破)

 

3つの事象の検証

[1] コースは違うが、いずれの場合も窮屈となった選手は仕掛けた選手から見て内の2名ずつ

[2] 今回の芦屋と下関のケース1では仕掛けた選手はスローからの起こし、下関のケース2ではダッシュからのスタート

[3] 被害を受けたと思われる選手のうち、失格者が出たのは芦屋のケースのみ

まず [1] を見ると被害を受けた数としては同じということがわかる。

では [2] の場合で考えるとどうだろうか?下関で起きた2件でみると、ケース①よりケース②の方が内も抵抗しやすい状況だが、スローでのまくりに関して減点となっている。

そして [3] だが、あくまでも仮定として「スロー>ダッシュ」を悪質として考えて見た場合、失格者が出てしまったのは芦屋のケースのみということになる。となると、スローかつ失格者が出た守屋美穂と、失格者を出してはいない松井繁の減点が同一というのは疑問を持たざるを得ない

 

採決の差として考えられるもの

あくまでもここからは私的な見解が含まれるため、あらかじめそれを理解したうえで読んでいただきたい。

審判の違い

まずは各場の審判の違い。これは審判の判断によるもので、どちらが危ないかというのは判断に違いは出てきてもおかしくはない。野球やサッカー、どのスポーツでもこれは仕方のないことだと言える。

下関の2件のケースの近い

まずは下関のケースを考えたい。ケース2のほうが確かに内のもつれは内側の魚谷が最終的に引いてもつれは少ないように見受けられる。しかし、ケース1でも当該レースまでに確定板入りの1度もない原田篤志が執拗なまでに抵抗している点で無理な航走ともとれるだろう。

結果論ではあるが、このシリーズの予選トップは地元の寺田祥。仮に減点のない松井繁がいたならば僅か2点の差で2位が松井繁だった。さらに、ケース1の絞めこまれたのも地元の原田篤志。穿った見方をすれば、地元贔屓?ととらえる競艇ファンも少なからずいることだろう。

芦屋のケース

芦屋では守屋を妨害失格とした際、オールスターのファン投票でも2位に選ばれたような人気選手が予選落ちということとなる。また、既にファン投票1位の大山千広の予選落ちもこの時点で決まっており、人気選手がさらに準優勝戦に名を連ねないということが起きてしまうことが考えられた。

この場合においても、人気が購入に繋がると考えるのは当然であることから売上的にも守屋を賞典除外にはしたくないから減点のみでとどまらせたのでは?と考えたファンもSNS上でちらほら見かけた。

 

鳴門SG準優勝戦

もし、今回のレディースオールスターでの件が「売上」という点で疑心視されるとするなら、個人的にはさらに賛否を呼んだ鳴門のSGオーシャンカップの件も思い出さねばならない。

2020年7月25日、ボートレース鳴門ではSGオーシャンカップの準優勝戦日が行われていた。10Rの最初の準優勝戦から優出権のかかる2着争いは非常に激しい展開になり、疑惑の事象は2周2マークに起きた。

2周目のバック中間では桐生順平が2艇身近くリード。これを全速インモンキーで差を詰める峰竜太と、外からまくり差して追い抜きを狙う西山貴浩の攻防という構図だった。そして2マークを抜ける瞬間、3艇がピタリと並ぶような体制となるわけだが、しかしこの時、真ん中の西山と外の桐生が突然体制を崩し2番手争いから脱落となった。このとき峰と西山の間に接触はないように見えている。

では何故西山が外に膨れながら内を確認したのか?これは、峰の舳先がターンの出口で一瞬ブイに当たっているのではと考えられている。そのため、危険を回避するために膨らんだということが一番に考えられるだろう。もしそうなればこの準優勝戦は不良航法で賞典除外ということも視野に入るはずだ。しかし、結果的に処分等は無く峰竜太は優出。そしてさらに優勝まで手にすることとなった。

ファンも非常に多い選手だが、一方でアンチも少なくない峰竜太。このことは当時SNS上でも話題となり、多くのバッシングを受けていた。しかし、それ以上に峰竜太の人気と舟券の信頼度は厚く、優出ともなれば売上は当然高まる。これを起こしたのがもし別の選手でも、同じように処分なしでレースは事なきを得ていただろうか?という疑念を考えると、今回の芦屋のケースとどこか通じるものを感じる。

 

今後のボートレースに期待すること

と、4件のケースを挙げてきたが、そうは言ってもこれらはあくまで私の個人的な疑念。実際の真相はわからない。

となれば、そういった疑念すら生ませないためにも、公平公正な判断と多くのファンが納得するシステムを早急に導入する必要があるだろう。

今後のボートレースに期待するのは以下だ。

① 裁量の基準を明示

今回の4つの事例でも処分の有無や裁量の重さに疑問を持つ方は多くいただろう。これを解決するためには、転覆を引き起こす要因となった選手は減点、さすれば失格、などといった裁量の基準を明確に示すことが必要だ。スリット後の締め込みについても「例を用いて動画を使用する」など基準を示すことはファンの納得のためにも必要かと思われる。

② パトロールビデオの導入

現在のボートレースでは、スリット付近や1マークについてはリプレイでスロー再生される映像を見ることがある。しかし、アクシデントが起きた際に何がどう発生して減点や失格なのかを納得できるよう、判断基準をわかりやすくファンにも伝えられるパトロールビデオを早急に導入するべきだろう。

これは競馬や競輪ではかなり前から次のレースの開始までには映像で公開されている。にもかかわらずボートレースだけそれが実現しないという点も、黒い疑念を持たれる要因のひとつになっているはずだ。

対岸に設置出来ない場合でも1マークと2マークの端から、あるいは最も高い位置からの映像と3つだけでも映像で捉えることでその内容を把握できるはずだ。

③ 審議の導入

舟券の着順に変更を及ぼす可能性のある結果の場合には、レース終了後から確定まで数分かかるにしても前述のパトロールビデオを導入していれば数回に渡って映像を見直し、公平な判断をされるべきと考える。舟券を買っているファンにとっていちばんモヤつくのがここだからだ。

ボートレースはとにかく判定が早い。おそらくだが、裁量の判断基準がかなり単純化されているのだと思われる。これに関しては、競馬のように次のレースの本場馬入場が始まってもその前のレースが審議中というケースがあるように、審議中であっても次のレースの展示航走はおこなっても問題無いはずだ。

④ 得点の減点や事故点の見直し

現在の不良航法の減点は-10点と以前より厳しくなった。これはもちろん、選手に危機感を持たせ、安全な航走をしてもらいたいという配慮によるものだろうが、あまりにも細分化ができておらずひとまとめに-10点となっているため、予選序盤で減点となってしまうと準優進出はほぼ難しく、選手のモチベーション低下でその節を捨ててしまうことも考えられる。

不良航法の基準減点に関しては、以前の-7点はおろか、-5点でもいいくらいで、これとは別で、転覆を引き起こすような危険航走とみなされた場合のみ-10点、などの区別があってもいいだろう。

一方、級別審査にも関わってくる事故点は2点のみ。多くのA級選手が100走以上をこなすため、いわゆる事故パン(B2級降格)には70〜80点あたりまで猶予はあるのが一般的。フライングを1回していたとしても50点以上猶予のある中で、不良航法が2点というのはあまりにも低すぎる基準ではないだろうか。

選手責任の転覆が事故点10というのと比較しても、さらに謎が多くなる。自らの過失による転覆と、他の選手に被害を与える不良航法の差が、これほど大きいことに疑問を抱いているのは私だけだろうか?思い切りよく戦えること、他に迷惑をかけないこと、この2つを天秤にかけると、不良航法も転覆も事故点は5点ほどにすることでうまく調整を取れるのではないだろうか。

選手にも、舟券を買うファンにも、どちらにもレースに賭ける想いはそれぞれであるが、ファンの思いと選手の思い、さらに運営側との均衡がとれれば、よりよい発展となるのではないかと考えている。

 

ボートレースの裁量について考える まとめ

今回、レディースオールスターの守屋美穂の件をきっかけに、ボートレースの裁量について改めて色々と考えさせられた。今回の記事の内容は、あくまで私の個人的な意見ではあるが、根底にはもっと多くの方にボートレースを楽しんでもらいたいという想いがあってのもの。そのためにはより一層、公平公正をモットーにした多くの方の納得いく競技運営を求めていきたい。

もちろん、今回の私的な見解が全て正しいとは思ってはいない。むしろ、間違った見解の方が多い可能性も大いにある。しかし今回の記事をきっかけに、色んな方がボートレースについて深く考えてもらえるきっかけとなれば、私はそれでいい。ボートレースの未来の発展に繋がれば幸いだ。

 

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