既にご存知の方も大勢いらっしゃると思いますが、今回は藤原菜希選手の斡旋停止が発表されたことについて解説と思います。
目次
藤原菜希選手が異例の12ヶ月の出場停止処分に
今回話題となった藤原菜希選手の出場停止処分は、6/8にボートレース公式サイトにて公開された「レディースチャンピオン出場選手の繰り上がり」で発表されました。
2月に即刻帰郷になっていたため、ある程度の出場停止は誰もが想定していたと思います。
しかしながら、褒章懲戒審議会にて下された処分内容は「12ヶ月の出場停止処分」という非常に重いものでした。
SNSなどでも「処分が重すぎ」「可哀想だ」などという声が上がっていましたが、この処分内容が本当に妥当ではないのか、今回はこのあたりに関して触れていきます。
即刻帰郷について
「即刻帰郷とは何なのか?」「即日帰郷との違いは何か?」「どういった場合に即刻帰郷になるのか?」という点から触れていきます。
即刻帰郷とは
即刻帰郷とは、その名の通り帰郷処分となった該当レースの終了後、直ちに帰郷しなくてはなりません。
そして、処分内容もかなり重く、その日にまだ出走レースが残っていようが退場させられる最も重いペナルティの一つと言えます。
即日帰郷との違い
まず、即日帰郷との違いとしてあがるのは、帰郷のタイミングです。
即日帰郷は原則として最終レース終了後に発動され、帰郷処分となった場合でも、その日にまだ出走レースが残っていれば出場することが可能なのに対し、即刻帰郷は帰郷処分となった該当レースが終了後、直ちに帰郷しなくてはなりません。
そして帰郷が下される条件にも当然違いがあります。
即日帰郷になるもの
- 前日検査において不合格や遅参の場合
- 同一出場節に2回のフライングをした場合
- 非常識なフライングをした場合
- 同一出場節に2回の出遅れをした場合
- 失格を2回起こしてしまった場合
- 不良航法と待機行動違反を起こした場合
即刻帰郷になるもの
- 極めて悪質な違反
- 褒賞懲戒審議会に諮られる違反
- 重大な整備規程違反
- 管理規程違反
具体的には、フライングに気付かずにレースを続けた場合や、選手が携帯電話を持ち込んだ場合、公正なレースの施行の妨げになるような違反などがその対象となります。
今回の藤原菜希選手の違反は、「公正なレースの施行の妨げになるような違反」に当たるものと思われます。
そして、処分内容も大きく変わってきます。
即日帰郷で多いフライング休みですと、回数に応じて30~180日間の出場停止処分などとなります。
しかし今回藤原菜希選手が課せられた処分は12ヶ月の出場停止処分というかなり重いもの。
その重さからも、即刻帰郷がいかに犯してはならない違反かがわかります。
出場停止処分となった対象レースを解説
藤原選手は女子選手としてはスタートからの攻撃力の高いレーサーとして有名です。7月からは2期ぶりのA1復帰とあって期待されていた方も多いのではないでしょうか。
そんな最中の出場停止処分が下された理由が、2月20日ヴィーナスシリーズ尼崎9Rでの内容です。
レースは先頭を独走する藤原菜希選手の後方、2番手争いで中里優子選手が大きく振り込み、後続の櫻本選手の舳先が中里選手のモーターに接触しました。これによって中里選手はエンスト状態になり、藤原選手が最終周回に入るまで立ち往生でした。しかし、最終1マークに差し掛かる際に中里選手が航走を再開。明らかに通常であれば先頭のゴールから30秒以内に中里選手は間に合いそうにありませんが(間に合わなければ不完走失格)、最終バックストレッチから藤原選手は体を起こし、低速での航走で2マークへ。ゴール前ではさらに減速し、順位変動こそなかったものの後続が大渋滞の状態でゴールしました。この結果、中里選手もギリギリのところで完走となりました。
後続に対して「騒擾を惹起する行為」(簡単に言えば秩序を乱す行為)としてこのシリーズは即刻帰郷処分となっています。
出場停止期間が12ヶ月という思いペナルティになった理由
それではなぜ今回、選手の心情を思えばファンの理解も得られるような状況とも言えるこの問題に対して、1年の斡旋停止という重いペナルティとなったのでしょうか。
今年1月に三重支部の元選手が八百長による収賄等の容疑で逮捕されています。このとき取り上げられた19年7月2日びわこ7Rでは2周1マークでの明らかな大減速が問題となっていました。それにも似たような減速とあり、大きな問題として褒賞懲戒審議会は捉えたのでしょうか。
しかし私は八百長問題に影響された可能性のある1年間出場停止というペナルティは重すぎると考えています。2周目に突入時点で独走状態であったにも関わらず、急に減速して着順を落とそうとすることは有り得ないこと。後続に迷惑をかけたものの、30秒ルールのために行った行為であること。藤原選手が3周1マークに達した際に中里選手が復帰したとしても通常は明らかに間に合わない(※)にもかかわらず審判からの失格のコールはなかったこと。これらによる複合した要素でありながら1月の問題を彷彿させるものとして重い処分となっていると考えられ、なんとも言えないもどかしさがあります。
※単純計算で3周が1分48秒であれば1周が36秒。3周1マークで20〜30mの位置まで中里選手と藤原選手は接近していたため、6秒の差はなかった。
藤原菜希選手の出場停止処分 まとめ
不運とも言える出場停止となってしまった藤原菜希選手。処分の「決定」なので覆ることは難しいと思いますし、復帰までの長い間、モヤモヤするファンも多い事でしょう。
しかし、SNSなどをやっていない藤原選手ではありますが、ファンレターなどでメッセージを届けることもできますし、ファンの方は是非ともそういう声を届け、藤原選手にエールを送ってほしい。容姿だけでなく性格も男前な藤原菜希選手の、鮮やかな復帰を願い、今後も応援していきたいところです。
処分は重すぎという事はないですよ!
年間に競艇絡みで命を無くす人いるんですよ。
自分も競艇大好きですが、誤解を招く走りはやっぱり駄目ですよ!最後までしっかり走ってゴールして初めてレース成立なんです!
ファンならみんなあれが八百長じゃないのわかってるし、菜希の優しさもわかってる。
来年元気に復活してくれるの待ってるぞー!
自分もこの処分には納得していない。
ただ、ルールはルール。競走会もボートレースの公正さをより強めるためにやむを得ない判断だったように思う。
タイミング悪かったけど、藤原がその見せしめになっちゃった、っていうのはあるよね…
改めてレース確認したけど、これは審判が早めに判断を下すべきだっただろ。選手は迷って当然だよ。それを選手に責任擦り付けるのはどうかと思う。
あのまま藤原が全速スピードで周回して事故起きたら、それはそれで責任とれんのか?って話。迅速な判断を下せなかった運営側に落ち度があるのは明らか。
まぁ実際藤原が失速して後ろが迷ったのも確かだけどね。だから出場停止も数か月でいいし、12ヶ月する必要性は全くない。
こんな理不尽なことあっていいのか?せっかく盛り上がってきたボートレースのイメージ悪くなるわ。