
2020年6月、ボートレース宮島で行われたSG第30回グランドチャンピオンで悲願の初優勝を成し遂げた遅咲きの選手・徳増秀樹。強烈な行き足と出足を武器に準パーフェクトでの優勝。超抜モーターの上野真之介選手や勝率9点にも迫る峰竜太選手らを完封し、45歳での戴冠は感動的なものでした。
今回はそんな濃く熱い男・徳増秀樹選手について触れていきます。
目次
「徳増秀樹」プロフィール

名前 | 徳増秀樹 (とくますひでき) |
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登録番号 | 3744 |
生年月日 | 1974年11月29日 |
身長 | 166cm |
血液型 | A型 |
支部 | 静岡 |
出身地 | 静岡県 |
登録期 | 75期 |
「徳増秀樹」ってどんな選手?
デビューと初勝利・初優勝
徳増選手は1994年11月に75期てしてボートレース浜名湖でデビューしました。同期には昨年の大村ダービーでSG初優出をした上平真二選手や、今年に入り竹井奈美選手と結婚した桂林寛選手、そして徳増選手を語る上では外せない今坂勝広選手らがいます。
徳増選手はデビューから3ヶ月後の1995年2月に初勝利、1997年8月に津でデビュー初優勝を飾りました。同支部同期の今坂勝広選手も同じ年の1月に徳増選手より少し早く初優勝をしており、ライバルとして、仲間として共に歩んでいきます。
ライバル「今坂勝広」の存在
2人の間に差がついたのは1999年。徳増選手が初優勝から3年で5回の優勝をする一方、今坂選手は1999年だけでV6を達成し、2000年の地元開催であった総理大臣杯では初戦でSGでの初勝利を皮切りに準優勝戦に進出。翌年からはコンスタントにSG出場と活躍していきました。
徳増選手は2003年のチャレンジカップでSG初出場。2006年には年間8回の優勝をし、同年には最多勝利のタイトルも獲得しました。しかし、2003年に江戸川周年で優勝をしていた今坂選手と比べると、まだ華やかな活躍とはいきませんでした。
2010年には地元·浜名湖周年を、2013年には尼崎周年を制した徳増選手。その年のチャレンジカップと賞金王シリーズ戦では優出し2着となり、ライバルの今坂選手に追いつき追い越そうとこの頃からSGも常連として出場と奮闘していました。
2015年12月30日、今坂選手は年末の地元シリーズで.06のフライングを喫しました。前半カードには.34という遅いスタートも。直前節の蒲郡では初日に欠場し帰郷もしており、翌年以降の斡旋も体調不良によって取り消しとなりました。またすぐ異名の通り「ガッツ」で戻ってくると皆、信じていました。しかし、その願いは届きませんでした。
2016年5月21日 胃がんのため今坂選手は40歳という若さで亡くなりました。
友の死を胸に更なる躍進
同支部同期の戦友、そしてライバルだった今坂選手の死は徳増選手にとって非常に心を痛めたことでしょう。しかし、切磋琢磨してきた仲だからこそ「適当なことするな」とも叱れる仲であった2人。今まで互いに積み重ねたものを徳増選手は背負うと同時に、力へと変えていきました。今坂選手が亡くなってから徳増選手の最初の地元戦はその年8月のお盆シリーズ。徳増選手はドリームを除けば5連勝を含むオール2連対でシリーズを圧勝。優勝者インタビューでは今坂選手を想い涙をする場面もありました。
2019年、徳増選手は地元で開催の記念すべき第1回·ボートレース甲子園で選手代表として開会式で宣誓をしました。「適当なことするな」という今坂選手の言葉を胸に、どんな時でも精一杯やりきる実直な徳増選手はマイクをずらし、声を高らかに見事な宣誓を披露。実に徳増選手を象徴する宣誓となりました。このシリーズではファイナリスト6名にも入り、6枠から2着にくい込んでいます。
2020年6月、宮島で開催されたSGグランドチャンピオンでは初日いきなりの連勝。予選を6戦5勝2着1回と好成績でシリーズリーダーとして準優勝戦へ。.03のスタートで半艇身ほど他より抜けて逃げ切り優勝戦1枠を獲得。2連対率60%近いモーターで勝ち上がってきた上野真之介選手や、その年の既にV9と他を寄せつけぬ勢いの峰竜太選手。さらに徳増選手と同じく静岡支部で艇界1とも言われるスタート巧者の菊地孝平選手と強敵揃い。トップスタートを切った徳増選手は1マークを先取ると、これまで以上の勢いでバックストレッチをグングン加速。何かの後押しを受けるかのような猛烈な力で引き離していきました。まさにそれはSG制覇を成し遂げられなかった今坂選手が後押ししたかのようでした。デビュー25年、遂に徳増選手は見守る盟友と多くのファンや関係者と共にビッグタイトルを得たのです。
名誉ある紺綬褒章の受章
2021年1月30日付けで徳増選手は紺綬褒章を受章しています。紺綬褒章は基本的には500万円以上の寄付をした方に授与されています。あくまで推測ではありますが、コロナ禍で大変な中、多くの関わってくれた人達のおかげでSGを勝てたこと。その感謝の気持ちを寄付という形で還元したとなると、実直な徳増選手らしいおこないのように感じます。
徳増秀樹選手の優勝歴
年月日 | 場 | グレード | 開催名 |
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2016年 | |||
2017年 | |||
2018年 | |||
2019年 | |||
2020年 | |||
2021年 | |||
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